ハッキヨイ!ノコッタ!の巻

相撲をする7月27日は水曜日。戸島教室と武蔵ヶ丘道場の練習日で、ともに託麻東地域コミュニティーセンターで行いました。

この日、戸島教室には体験入門があり、暑い日でしたが、みんなと一緒に汗を流し練習しました。

そんな戸島教室の練習に引き続き、武蔵ヶ丘道場の練習開始で、最後に、補強兼体幹トレーニングとして「相撲」をやりました。

戸島教室の練習では、基礎練習をみっちりむっちりと行い、最後にジャンケン補強。

基礎練習 マミもやる

ジャンケン補強開始 腕立て時は、こっちの列が連続して負けてました

武蔵ヶ丘道場生の練習でも、基礎練習をみっちりむっちり。

アカネもやる なにげに握りの甘いゲンキ

練習後半、相撲トレーニングです(笑)

押し相撲ではなく、組相撲。

組んでからの押し合いですが、帯をまわしに見立て、捻ったりして相手を崩し押し込むのを期待していましたが、今の子は、相撲自体を知らない(笑)

モンゴル相撲みたいに、組んでからの相撲は、体重をかけて、重心をコントロールして押し込む技術以外に、相手を「崩す」技術も必要なわけで、押すと見せかけて引く、右に振るとみせかけて左に振る等、質量のある相手をコントロールする技術の練習にはもってこいなわけで、

そんな相手の動きに対処するためには、自分自身の重心コントロール、崩れされない体幹の力が必要なわけで、体幹トレーニングとしても非常によい運動なわけで、

柔道や相撲の組技と違い、打撃技な空手ですが、相撲トレーニングは、とても有効だったりします。

相撲の基礎練習である、股割り、腰割りは、運動すべてに通じるストレッチだし(怪我防止の意味もあります)、摺り足や四股なんて、どんな競技にも通用する下半身鍛錬(足腰強化)で、相撲トレーニングは、もっと評価されていいものなのです。

相撲トレーニング開始

昔は押し相撲の練習もしていました。

井上雄一朗も中学時代に熊本武道館3階小道場での稽古でやっていたはず。あの頃だから。

突っ張りでどんどん押してゆく(笑)

掌底打ちでガシガシ打ってゆくので、もう普通に打撃な押し相撲でした(笑)

掌底「押し」ではなく、掌底「打ち」。

もちろん顔面を突っ張ると鼻血ブーで、みるみる顔が腫れていくので胸から下を打つのですが、右胸あたりを打たれると、背骨を軸にして右肩を後方にそらして空振りさせたりし、空振りした相手の体勢が崩れたところを左の掌底打ちでガツンとやったりしていたので、

もっと速く!

もっと強く!

ってことで、手刀鎖骨打ち込みみたいな感じで、掌底より表面積の少ない手刀をガツンガツン打ち込んでいたのは懐かしい思い出(笑)

基本、押しに強くなる、押される圧力に対応する軸を作る練習だったのですが、

いつの間にか、

足を止めての、掌底や手刀でのド突き合いになっていたり(笑)

手を伸ばして押しっぱだと、肘辺りを払われて、ガクンと崩されるので、引き手も速かった。

あまりに押し相撲練習でバシバシとヒートアップして、普通に正拳ではない殴り合いになったので、帯を掴んでの組相撲に変えたような気がします(笑)

I先生も大変だったはず。

そんなことはどうでもよくて、

まずは、二列になって、ペアになって組相撲です。

投げや足かけは禁止で、腰を落とし、両足で踏ん張って前に出る練習。

わたしはアカネとペアになったので、高々と持ち上げたり(笑)

組相撲開始 アカネを持ち上げる

その後、円陣を組んで、それを土俵に見立て、その中で相撲です。

見合っての立ち会いから始めますが、組んでの押し相撲です。

これは、足をかけたり投げたりも有効。

いかに相手を崩し、自分の体重、相手の体重をコントロールするか?

なのですが、

なんか、みんな、相撲が下手(笑)

タクミとヒカル タクミを投げるヒカル

そんな中、相撲が上手かったのはヒカル。

人の投げ方知ってるワ。

ゲンキも腰を低くして、おそらく、無意識と思いますが、「重心」ってのを理解してた。

この二人が強かった。

上の画像は、タクミがあっという間にヒカルに投げられるところ(笑)

打撃系は、特にフルコンタクト空手だとアップライトに構えるから腰高になります。

タクミはそのままで、ヒカルは腰を落としてタクミより低く組み合った。だから簡単に投げれる。

見合った姿勢も、相撲じゃない二人なんですが(笑)

レスリングのフリースタイルな構えで、下半身を攻めないグレコローマンスタイルだともっと腰高ですが、フリースタイルの構えなので、マ、いっか。

ちなみに、

レスリングには二種類あって、上半身だけ攻めるグレコローマンスタイルと全身を攻めるフリースタイルあります。

グレコローマンスタイルは上半身しか攻められないので、腰高に構え、組んでの投げ、つまりスープレックス技が発達しました。

一方、全身を攻めるフリースタイルでは、下半身も攻められるので腰を低く構え、そんな下半身から崩すタックル技が発達しました。

相撲も広義の意味ではレスリングの一種で(相手を倒し合う格闘技の一種ということで)、英語だと「スモウ・レスリング(Sumo-Wrestling)」と表記されたりします。

そんなこともどうでもよくて、

このあと、総当たり戦で勝ち抜きをやり、ほぼ小二なタクミ、シンノスケ、ゲンキ、ヒカルだけなのですが、相撲に強いから勝負に勝つわけではない、ということを証明したヒカル(笑)

タクミとヒカルの勝負。

がっぷりと四つに組みます。

再度タクミとヒカル

ヒカル、十分に引きつけ、柔道の大外刈りの要領で右足を出し、タクミの右足にかけ倒しにいきます。

うまいよね、ヒカル。

足を出し、 大外刈りで倒しにいくヒカル

もう完全にヒカルの勝ちで、最初と同じでタクミは何もできないまま投げられるだけ・・・

と思ったのですが、

ヒカル手をつく

先に手を着いちゃって、ヒカルの負け(笑)

ヒカルの負けだよ~

ヒカルが上になっていて、寄り倒しや外掛けみたいな体勢なら「かばい手」で負けにならないんだけどねぇ。

「つき手」に近いかな。

ヒカルの負け(笑)

最後は、なんとなく勝ち上がってきたシンノスケとタクミの勝負。

手を着いて構えたタクミが勝ち。

決勝戦 タクミの勝ち

そんな、ヒカルのお手つきと決勝戦を見てみる。

■相撲トレーニング

ヒロトがいたら面白かっただろうなぁ。

そんな相撲トレですが、「ハッキヨイ、ノコッタ」と言えば、誰でも相撲のこととわかるはず。

「ハッキヨイ、ノコッタ」ってのはどういう意味か?

大相撲の公式サイトに解説があります。引用します。

「ハッキヨイ ノコッタ」の意味は?

 土俵上で力士が見合っているとき、行司は「かまえて」「見合わせて」「油断なく見合って」「まだまだ!」などと声をかけ、制限時間がくると、「時間です。手をついて」「待ったなし」などと声を高め、両力士の精神を集中させる。両力士が立ち上がると同時に行司が軍配を引く。このとき行司は「ハッキヨイ!」と気合いをいれる。この「ハッキヨイ」とは「発気揚揚」がつまったもので、気分を高めて全力で勝負しようという意味である。さらに「ノコッタ」は「残った」の意味で、両力士とも土俵に残っている、勝負はまだついていないと知らせているのである。がっぷり組んで動かないときは「ハッキヨイ」、技をかけている場合は「ノコッタ」の声をかける。

■大相撲公式サイト 大相撲情報局 相撲豆知識の行司物語より

語源由来辞典によると、「ハッキヨイ」は「ハッケヨイ」で「八卦良い」という意味とあります。

そして、「早く競いなさい」という言葉がナマって「ハッケヨイ」という説も紹介しています。

「はっ」が「早く」で、「けよい・きよい」が「キホフ(競う)」の命令形の「キホヘ」、それが繋がり「ハッケヨイ・ハッキヨイ」で「早く競え」。

引用します。

【はっけよいの語源・由来】

はっけよいの「はっけ」は易占いの「八卦」のことで、「八卦良い」の意味とする説が一般には広まっており、日本相撲協会では「はっきょい」として「発気揚々」の意味と捉えている。
しかし、力士に対して動きを求めて発する掛け声なので、動詞の命令形と考えるのが自然である。
「はっ」が「ハヤ(早)」の転、「けよい・きょい」を「キホフ(競ふ)」の命令形「キホヘ」とし、「ハヤキホヘ(早く競いなさい)」が転じて「はっきょい」になり、更に転じて「はっけよい」になったとする説が良い。

■語源由来辞典(はっけよいの項)より

「ノコッタ!ノコッタ!」という言葉で熱くなる人は、往年の名機「綱取物語」の数珠繋ぎ連チャンでいい思いをした人(笑)

あと、

相撲の歴史で思い出すのは、『日本書紀』に記されている「野見宿禰と当麻蹴速の戦い」ですね。

野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)と読みます。

以前は、この『日本書紀』のやつが一番古いやつと思っていたのですが『古事記』にある記述が「相撲の起源」ってなっているそうですね。

へぇ~。

野見宿禰と当麻蹴速の戦いは、野見宿禰が勝つのですが、負けた当麻蹴速の名前に「蹴速」ってある通り、これは「速い蹴りの持ち主」ってことで「蹴速(けはや)」です。

『日本書紀』にも、この二人の戦いは「蹴りの応酬」で、野見宿禰が当麻蹴速の脇骨を蹴りで折り、更に倒れた当麻蹴速に対し踏みつけてトドメを刺し、これで腰骨を踏みつぶして絶命させてるんですねぇ。

壮絶な戦いです。

相撲じゃねぇじゃん(笑)

でも、野見宿禰は相撲の神さまなんですよね。

空手に近い(笑)

いずれにしても、『日本書紀』ってのは、奈良時代に成立した日本最古の正史な歴史書。正史ってのは、正式に国家が編纂した歴史書って意味です。

日本最古の歴史書は『古事記』。

余談が長くなりましたが、井上道場Tips(ブログ)は、

たま~に、アカデミックなことも扱う(笑)

そんなこんなで、

最後に「四股踏み」をやってこの日の練習は終了。

下半身強化は、もう「四股踏み」だけで十分なくらい効果がある。

と、

そんな水曜日でした。

ってなことで。


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