夏の稽古と五十四歩(スーシーホ)

まだ8月なのです世界水泳が始まったと思ったら、終わっていて世界陸上が始まってしまった世間なのですが、8月下旬とはいえ、世界陸上開幕競技がマラソンと聞いて驚愕している今日この頃です。

午前7時スタートとはいえ、この時期に42.195キロを走る。
素敵な超人たちが世界から日本(大阪)に来日しているんですね。

そんな有名アスリートではありませんが、今日もどこかの空手道場で、大人も子どもも、男子も女子も、同じように汗を流しているに違いありません。昨日もそうだったように、明日もきっとそう。

そんな大阪に集まっている素敵な超人たちに、決して見劣りしないであろう、夏場に稽古する人々の風景など。

代継橋道場の風景です。

壮年部・ビジネスマンクラス、呼び方は色々ありますがロマンス・グレーが素敵なおじさま方も、一般部に混ざって同じ稽古をしています。少年部もいるし女子部もいる。普段の稽古のいち風景ですが、この時期に、日が暮れている時間帯とはいえ、自ら汗を流す、ある意味苦行なんですが、そういう姿を見せられると、弱音を吐く自分に対し、これくらいなんだ!と思っちゃいますね。

少年部の必死に稽古する姿にも感銘を受けますが、ロマンス・グレーな道場生の必死の姿にも感銘を受けます。
自分が同じ年齢になった時、体は同じように動くのか?足は同じように上がるのか?口だけ立派になって、アゴだけ黒帯でしょうが、実際に動けるのか?と思うと、もう他山の石どころの話ではありません。

人は人でしか学べない。といいますが、黒帯を取ったから、大会で実績を残したから、というのは一時の名誉であり、稽古をする、継続して稽古するという姿勢には劣るな、とそう思うのであります。

井上道場最高齢者は62歳のシンさん。仕事の関係で稽古は代継橋道場の少年部クラスに通っています。ほぼ孫と同じ年齢の子ども達と一緒に汗を流しています。

武蔵ヶ丘道場だと60歳(還暦)のシモニシさん。定年退職した記念に空手を始めた方です。普通はもっと静かな趣味じゃないのかなぁと思ったりしますが、釣り師でもあるナチュラリストなので、メリとハリのある生き方をしてきたんだろうなぁと感嘆する思いです。

この間、バラエティ番組『リンカーン』で芸人大運動会をやっていましたが、ザ・ドリフターズの仲本工事が、我々の世代には見慣れたランニング姿で出演していて体操をやっていました。落涙ものの映像で、仲本工事はいったい幾つになったんだ?とか思っていましたが、もう66歳なんですね。

最後のリレーで先頭走者として走っていましたが、66歳の動きじゃなかったです。井上雄一朗と「すげぇな」と言いながら見てました。

指導する側になると、「見る」ことが大切な仕事になりますが、やはり空手をやっている身としては、一旦空手着を着たなら体を動かさなければならない、たとえ幾つになっても。
と思いました。切に思いました。

少なくとも、現在道場で体を動かしているロマンス・グレーな人生の諸先輩方の年齢までは。
と、思った次第です。

年齢的なこと、体力的なこと、指導的なこと、色々理由付けはできますが、昨日今日空手を始めたわけではないわけで、少なくとも自道場を構えている先生たちならば、口だけではなく、体も動かないとな、と。

口だけ番長にはならないぞ~と。

別に現役選手並みに動く必要はなく、基本的な動きの手本となる動作ができるという意味で。
それが出来なくなった時が、ある時期なんだろうなぁと。

団体競技でいったら、監督から総監督になる時期かな、と。

夢は80歳で跳び後ろ廻し蹴りです(笑)

そんなこんなで、この日の稽古では、まだまだ働き盛りのニシバシさんとカワハラさんがペアを組み他の道場生と同じメニューでミット稽古です。40代後半と50代ですが、たいしたもんだと思わざる得ません。

20代や30代でも、稽古をやってないと、ミット稽古はバテバテになりますから。
この時期は特に。

ミットを蹴る ミットを蹴る蹴る

一般練習のミット稽古なので、基本的な動きだけです。それでも1ラウンド1分でミドルであるとかハイであるとか、ショートのコンビネーションであるとか、変化を付けた基本ミット稽古なので、かつ持ち手と攻撃側が交替しつつ稽古をすすめるので、なんやかんやで20分以上はかかります。

この時期なので、絶対に無理しない、気分が悪くなったり、腰や足に違和感があれば、壮年部ではなくてもすぐに稽古を中止するように事前に言っていますが、淡々と、まさしく淡々とミットを蹴るロマンス・グレーな道場生。

■ミット練習時

後方には少年部クラスから参加しているユウスケ、女子部な里奈ちゃんなども見えます。

実際の映像はもっと長いのですが、どこで区切っていいかわからなかったので、5分以内を目安に切っていますが、この後も基本ミット稽古を延々とやってます。

この日は蹴りオンリーでした。

ミット稽古が終わると、小休止して、水分を十分に補給して型の稽古。

五十四歩(スーシーホ)という長い長い型の稽古です。
号令だと50あります。初級の型だと号令は20なので、2.5倍長い計算になります。

ちなみに、この五十四歩(スーシーホ)という型を私が初めて見たのは子どもの頃です。
映画で見ました(笑)

『地上最強のカラテ』という映画の中で大山茂師範が袴を穿いて演じていました。子どもだったので、凄く怖そうなおじさんが縦横無尽に動き回っているなぁって感想でした。それがファースト・コンタクト(笑)

後年、ああ、あの時見たのは、この型だったのかぁと思いましたが、とにかく子どもの頃に刷り込まれた記憶なので、大迫力な型の演技に「あれくらいの迫力がある人がやる型なんだな」とわけのわからないことを思った記憶があります(笑)

ちなみに、『地上最強のカラテ』では佐藤俊和師範が征遠鎮の型を披露していますが、今見ると、一箇所技を飛ばしています。これまた凄い迫力の型なんですが、当時はどんな動きだったんだろう?と、じっくり見返すと「あ!」と。

一箇所抜けているんですが、そんなの関係ない迫力で、体の内側から出てくる覇気というか気合いで、見るものを圧倒することができるんだな、と実感する征遠鎮でした。

五十四歩の指導中 横蹴りやって突く

この日初めて習う人もいれば、既にある程度覚えている人もいて、それでも長い型なので、数回繰り返すだけで結構な時間をとります。ミット稽古のあとなので、全員疲労困憊。

それでも、しっかりと腰を落とし力は抜くけど手は抜かないで目と耳と体を集中させます。

ここで気合い

五十四歩(スーシーホ)と言っても流派や会派で動きは違い、その内容の是非は別にして、流派が違うならわかるのですが同じ会派から分かれているのに違う動きがあるのが不思議でなりません。どこで変わったんだろう?

上の画像の動きも同じ会派から分かれた派では存在し、別の派では存在しない動きです。
『地上最強のカラテ』で演じた大山茂師範は、この動きをやっていて、記憶にあるので、その後、どっかで変わったのかな?と思ったり。

さて。

ミット稽古、型稽古も終わり、みっちりとむっちりと体を虐めて疲労困憊したところで補強か?と思っていたら、五十四歩(スーシーホ)の稽古が思ったよりも時間がかかったので、この日はこれで稽古終了。

黙想!

黙想したあとは、お互いに礼をして本日の稽古が終了です。
どこの道場でも同じと思うのですが、稽古終了後の礼は、もう押忍の嵐ですね(笑)

先輩、同輩、後輩問わず、全員でそれぞれに「押忍、ありがとうございました」。あちらこちらから一斉に上がる声です。

押忍ありがとうございました!ました!ました!

そして道場のお掃除タイムです。
この時期は汗が大量に落ちているので、みんなでフキフキ、フキフキ。

そんな中、ダメだしをさせるハリウッドスター・・・
後方で「茶帯のおまえがそれじゃダメだろう」と井上雄一朗から補習を受けています(笑)

ダメだしされるハリウッドスター

この日は、ユウスケパパに修理してもらったビデオカメラの試運転のために、ミット稽古からカメラを固定してずっと撮影していました。特に型も教えたので、誰がどこを理解していないか?どの動きが不完全か?などをチェックするために。

人間の視線は正面180度見れますが、ある道場生を凝視すると意識がそこにいって、見えているはずの他の道場生の細かい動きがわかりません。井上雄一朗は全体を見ながら指導していますが、生身の人間なので限界もあります。

そのため、この日は稽古終了後に何度も何度もビデオを見つつ、何度も何度も巻き戻ししつつ、各道場生の動きをチェックしていました。特に上級者の動き(笑)

次の日は武蔵ヶ丘道場の稽古だったのですが、そこで再びダメだしされるハリウッドスター(笑)

稽古終了後に、ユウスケ用に観空(カンクウ)と五十四歩(スーシーホ)の動きを井上雄一朗単独で演じ、それをユウスケパパが撮影していましたが、なんせ稽古終了後。少年部クラス開始前から道場の周りを走ったりしていて、4時間以上も体を動かしてたのでキレがありません。

結局、観空(カンクウ)は3度やって全部失敗(笑)
最初は、観空の観空たる両手で天を仰ぎ見る動作があるのですが、なぜか抜けて号令をかけている私も違和感を覚えつつ、やはり4時間以上体を動かしていたので「あれ?8で終わったね」と。

笑えない話です・・・

五十四歩の方はユウスケの参考になるような動きをしていたのですが、あとでビデオを見つつ「ここがいけない、ここがダメだ」と自分にダメだしする井上雄一朗。

真夜中にビデオを見つつ、自分自身のダメだし部分を演じる井上雄一朗でありました。

寝れねぇじゃん、俺!

そんな五十四歩(スーシーホ)なのですが、みお先輩だけは合宿時に他の道場生よりも先に習っていました。この日は仕事が遅くなり稽古に参加できませんでしたが、それでも仕事場から道場に駆けつけてOL姿で稽古終了までいました。

下の動画は、後方のみお先輩に注目。
井上雄一朗の動きをOL姿のままでなぞるみお先輩。

裏拳ひっかけ双手突き十字の一挙動の動作をニシバシさんに伝授。
ここ、見せ場なのよね(笑)

■五十六歩練習時のみおちゃんとか

最近、グルメネタ少ないんですが、理由はあります。
過去に投稿したものを食べているからです(笑)

重複しても面白くともなんともないので投稿していないのです。
昨日は中華丼と牛バラ肉とニンニク茎炒め辛味味を食べたので投稿してもいいかな、とも思いましたが面倒くさかったのでボツ(笑)

一昨日は豚軟骨1キロを二人であっという間に食べ、その前は金龍ラーメン。

慰労会の時に評判になった無茶苦茶美味しい中華を、今度食べにいって記事にしようと思います。
あれは旨かったっす。


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