懐かしい話 – 岩田屋伊勢丹と空手

懐かしの岩田屋伊勢丹マーク!熊本市内の中心地に、日本最大、というか東洋最大のバスターミナルがあります。

熊本交通センター。

日本一のバスターミナルとは知っていましたが、東洋一とは知りませんでした。

この熊本交通センター(地元民は略して「交通センター」と言います)に隣接している百貨店があって、現在は「くまもと阪神」なのですが、我々の世代からすると「岩田屋伊勢丹」になります(笑)

福岡の「岩田屋」、東京の「伊勢丹」、そして熊本交通センターが出資して出来た百貨店なので「岩田屋伊勢丹」なのですが、この今は無き百貨店には、空手と関連した思い出があります。

そんな、お話の巻。

記事冒頭のサムネイル画像は、「岩田屋伊勢丹」のマークなんですが、夜になると、このマークと「岩田屋伊勢丹」という文字が最上階に点灯されて、いい目印になっていました。

道路を挟んで、「辛島公園」という公園もあり、現在は地下駐車場になって往時の面影は少ないですが、いちお、今でも公園ですね。

昔は噴水がありました。

現在でも、確か、水の流れるオブジェがあったような気がしますが、なんせ高校以来ほぼ徒歩で行ったことがないので記憶も定かでありません。

ちなみに、この辛島公園から基本的に道一本で代継橋道場へ行くことができます。

さて。

井上雄一朗が若く、ということは私もそうで、ともに十代だった頃、もうアフォみたいに空手に汗を流していた頃ですが、年に数回合同練習というものがありました。

最初は合宿だったのですが、いつの間にか泊まりがない合宿(合同練習)になり、いつの間にか昇級審査が行われるイベントになり、いつの間にか内部交流試合のあるイベントになり、つまり、全然練習のないイベントになっちゃった不思議な合同練習なんですが、そんなのがありました(笑)

初級者には練習になったかもですが、私なんて、いっつも教える側で、なんで長時間拘束され、かつ諸費用も払って教えなきゃならねぇんだよぉと思ってたりしちゃったり。

こんなのなら、井上雄一朗ら内弟子の精鋭集めて別個に特別練習した方がいいなぁと思っていたりしましたが、これは実は内緒でやってました(笑)

マ、色々あるんですが、ここでは関係ないのではしょります。

でも、この合同練習では日頃顔を合わせない分支部の道場生とかの交流もあり、そういう点ではメリットもあったのですが、デメリットの方が多かった(笑)

井上雄一朗とかだと、秋岡塾の秋岡塾長や岩見道場の岩見師範などは、合同練習で顔を見る先輩って感じで、そういうメリットはあったかも。

メリットだろうか?(笑)

そんなこんなで、そんな合同練習というのは、朝から晩までありました。その中に昇級審査や内部交流試合などのスケジュールが組まれていたので、練習なんて実際比率は少なかったです。

けれど、最後に必ずスパーリングがあり、これは1時間くらいやるんですが、ガチガチでやるものもいれば軽くやるものもいて、ガチガチの場合はガチガチにあわせ、軽めの場合は軽めにあわせてやりますが、途中落伍者もいたりして、これだけは「練習やったな」と思えたやつです。

当時はサポーターとかないですから。素手素足でスパーリングやりますから、軽めでもどこか痛めたりするわけです。

合同練習最後にやっていたのですが、体中アザだらけで、これは慣れっこなのでいいんですが、最後の練習が終わるとみんなで食事に行きました。

井上雄一朗らが高校に進学した年に我々は高校を卒業しているのですが、予備校に行っちゃった(笑)

志望大学は関東関西色々で、入試が終わると熊本を離れるものもいるわけで、私と同世代のものたちは、冬の合同練習は受験生にも関わらず「みんなと稽古するのも最後だから」と参加しました。

そういう事情があっての合同練習後の食事です。

喜んだのは井上雄一朗ら。

理由は色々あるのですが、ちょっと書けないです。はい(笑)

みんな十代ですからね。練習後で、スパーリングで腕や足ボコボコになっていましたが、よく食べて盛り上がりました。

井上雄一朗らは、我々の世代とこうして稽古後に楽しむのも最後とわかっていたので、そりゃはっちゃけてました。

熊本に残る先輩もいれば離れる先輩もいるわけで、これからの人生で再び邂逅することもあるでしょうが、今までのように、道場で汗をかき、終わってみんなで談笑するってのが、これで最後と、そういう、あの時代特有の酸っぱくて甘い感覚があったと思います。

我々もそうでしたから。

デ。

下通りか新市街か忘れましたが、どこかで食事して、それから「辛島公園」に行きました。

目的は別にないんですよね(笑)

ただただ、みんなで盛り上がれればいい。そういう時期ですから。

内容のないことを喋り、それは空手のことであったり、そうでなかったり、普通の十代の若者の意味のない、些細なことで、その内容も覚えていないのですが、とにかく楽しかった。

そして、ふと「辛島公園」から「岩田屋伊勢丹」を見上げました。

岩田屋伊勢丹を見上げる

「辛島公園」の噴水の手前から見ると、闇夜に「岩田屋伊勢丹」が浮かび上がる構図なんですよね。

そして、みんな驚いたわけです。

あ!

と。

わかりますでしょうか?

この画像だとわからないと思います(笑)

「岩田屋伊勢丹」の「岩」って文字なんですが、「山」の照明が消えていて「石」になっています。

石田屋伊勢丹じゃねぇかよ!

石田屋伊勢丹

まぁ、それだけなんですけどね(笑)

この「岩田屋伊勢丹」が「石田屋伊勢丹」になっていた、というネタを書きたいがためにこの記事を投稿しました。

当時の事はすっかり忘れているんですが、この「石田屋伊勢丹」のことは全員が覚えています(笑)

そして、この時期は冬です。確か3月くらいじゃなかったでしょうか。

とても寒いわけです。

「辛島公園」の噴水に魚がいて、フナかなんかだと思うのですが、もう寒そうにゆっくりと泳いでいました。

それを見た井上雄一朗が

「先輩、この魚、手づかみできますよ」

と(笑)

「やってみろよ、井上」と盛り上がるわけです。

上着を脱ぎ、袖をまくった井上雄一朗、噴水の中に落ちないように柵をガッチリと掴み、魚にそっと手を伸ばします。

とったどー!

ちゃんと手づかみしました(笑)

魚を手づかみする井上雄一朗

爆笑しました。

ちゃんとリリースしました(笑)

これも全員覚えています。

そして、井上雄一朗と同級な長友君は、私と同級なH君に噴水に投げ込まれそうになっていました(笑)

長友ピンチ

これも全員覚えています。

余談ですが、私、この時なぜか裸になり、噴水の一番上に登っています(笑)

寒かったなぁ。

裸と言ってもパンツ一丁は履いていますよ。

この「辛島公園」から幾星霜。

東京に進学したもの、他県に進学したもの、それぞれの地で空手は続けていましたが、この日が、みんなで稽古後に楽しんだ最後の日になりました。

H君は全日本で活躍し、長友君はウエイト制で何度も表彰台に上がり、井上雄一朗は九州大会を制し、それぞれが別の道場ではありますが、空手を続けました。

道具もなく技術もなく、それでも胸いっぱいの希望を糧に信じる道を進んできたわけで、まだ先の人生は長いですが、一生懸命歯を食いしばり、それと同じくらい遊び楽しんだ日々を思うと、ちょっとやそっとのことは「なんだこれくらい!」と思えるから不思議です。

1973年に開店した「岩田屋伊勢丹」は、1993年に「伊勢丹」と「熊本交通センター」が経営から手を引き「熊本岩田屋」になりました。そして2003年に閉店します。

現在は「くまもと阪神(百貨店)」です。

往時の「辛島公園」も今はなく、あの頃と風景は変わってしまいましたが、変わらないものもあります。

あの日の激しさ、楽しさは「井上道場」に受け継がれ、そして流れています。

古びた画像を懐かしむのはなく、これからの未来を思うわけで、この記事は「懐かしい話」というタイトルではありますが「温故知新」なわけです。

まぁ、あれです。

井上雄一朗も私も全然変わってねぇなぁ!

ってことで(笑)


懐かしい話 – 岩田屋伊勢丹と空手” へのコメントが 6 点あります

  1. 私も先週、久しぶりに高校のときの剣道部の後輩と再会しました。
    立ち話でしたが、話していると、そのころの思い出や、当時の面影が浮かんできました。 が、目の前の後輩は、年下のくせに、見かけは自分よりずっとおっさん!
    いや、相手も「先輩もふけたなー」と思っていたかも知れない。うーん微妙だ。
    ちなみに後輩は、webmasterのご近所さんです。

  2. >ユウスケパパ 様

    その剣道部の後輩という方は、私も知っている方でしょうか?

    とにもかくにも、高校時代というのは強烈な記憶とともにあるので(小中と比較すると)、記憶も鮮明で、気持ちも、ついつい当時のままだったりするんですよね。

    そうやって張り切ると、体が悲鳴を上げたりするわけで(笑)

    井上雄一朗と、つい二三日前のことのように話していることが、実は二十年以上も前のことだったりします(笑)

  3. バス停の名前(○○の前)の後輩です。お互い歳とっても話してみれば、先輩後輩。懐かしいひとときでした。

  4. たしかご存知かと思いましたが?
    井上師範が以前勤めていた職場にいた、私の後輩の連れです。
    親の跡を継いで、今では先生と呼ばれる立場となりました。
    以前、この人の話をしたような記憶があったんですが...。私の勘違いかも知れません。失礼しました。

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