先月3月30日に行われた極真館本部直轄菊水道場主催「第5回ペガサスカップ錬成大会」の余話第2弾を。
小学5年生男子の部に出場したダイヤ、のネタ。
第5回ペガサスカップについては、過去記事「第5回ペガサスカップ錬成大会(2008.03.30)」にあるので、それを参考してもらうとして、今回はダイヤ。
そして、正露丸(笑)
正露丸。
もう、この名前を聞いただけで腹痛とか治っちゃいそうなくらい強烈な匂いを持つ胃腸薬ですね。
基本的に丸薬。丸い焦げ茶色をした薬。
その匂いは強烈で、「あ、お腹がい、いたい」と思って正露丸でも飲んで腹痛を止めようと救急箱を開けると、開けた瞬間に正露丸の匂いが「ほわ~ん」と鼻にきたりして、その匂いだけで不思議と腹痛が治まったりするくらい(笑)
もう、我々の世代は、腹痛といえば正露丸。
つうか、日本人なら、お腹が痛かったら、とりあえず正露丸(笑)
居酒屋に行って「とりあえず、ビール!」よりも普通なことのはず。
正露丸は、元々「征露丸」ですね。日露戦争時にロシアをやっつける、という意味の「征露」からきています。正式名称は、当時は「クレオソート丸」。
クレオソートとは、正露丸の主成分のこと。
クレオソートは、強力な殺菌防腐剤で、高濃度での長時間作用は細胞を破壊し壊死させる性質を持っているので、実は正露丸というのは劇薬だったりします。
ご使用の際は、注意書きをよく読んで服用するってことですね。
そんなこんなですが、我々の世代の正露丸といえば「ラッパのマークの正露丸」で、これは「大幸薬品」の正露丸のことなんですが、現在薬局に行くと、色々な正露丸が売ってありますね。
一番値段が高いのが大幸薬品の正露丸だったはず。
正露丸の商標は大幸薬品が持っていたのですが、旧軍に正露丸を納品していた業者は他にもあったわけで、ここからクレームがきて裁判になった。
そして最高裁が「正露丸はクレオソートを主材とした整腸剤の一般的な名称として国民に認識されており、これを固有の商標とした特許庁の審決を取り消す」と判決し確定した。
つまり、正露丸ってのは、クレオソートを主成分とした胃腸薬の代名詞ってことで日本人には認識されてるってことですね。
だから、大幸薬品じゃなくても、商品名に「正露丸」を使える。ゆえに、薬局では色々な正露丸があると。
各製薬会社によって成分の配合が違ったりするので、全て同じではないでしょうが、私からすると、やはり、正露丸というのは、丸薬で、強烈な匂いがあり、そして、これが大事なことなのですが、湿っている(笑)
ねっとりと、まったりとした丸薬が正露丸。
乾燥して、パサパサした正露丸もあるのですが、それは、蓋を閉め忘れて乾燥してしまった正露丸、ってイメージなんですよねぇ。
もう子どもの頃から正露丸にはお世話になっているわけで、今でも救急箱には入っていたりします。
とりあえず、正露丸を飲んでおけば、腹痛は治まる。
「病(やまい)は気から」という言葉がありますが、そういう意味では、私に絶大な効果をもたらす胃腸薬は正露丸が断トツです。はい。
と、正露丸の話を長々と書いてきて、「なんでこれが空手のペガサスカップと関係あるんだ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、空手とは関係がありません。
ダイヤと関係があります(笑)
さ、ここから本題です。
第5回ペガサスカップ錬成大会小学5年男子の部には、ユウスケ、ダイヤ、稜平へいへ~い♪が出場しました。
トーナメント表を見るとダイヤが1番でユウスケが最後。この同級生が対戦するとしたら、それは決勝戦になるわけか・・・と思ったり。
会場に入って、ダイヤママがいたので話をしました。
大会前、通常稽古のあとに選手のみ特錬をやるのですが、選手コースの稽古日もあって、ダイヤはユウスケや光に比べれば回数は少ないですが参加していました。
そこでの動きがよかった。
キレがあるとか、技が出ているとか、そういうのではなく、過去のダイヤと比べて動きがよかった、とそういう意味です(笑)
そして、ダイヤについて数行このTipsで書いていた内容を読んで、稽古前に「どうすればいいですか?」と聞いてきました。
驚きましたよ。
ダイヤが、空手のことを質問している!って(笑)
有り得ない!って話です。
せっかく聞いてきたので「それはね、井上先生がダイヤに言うことをしっかりと聞いていればいい」と答えましたが、大会まで日数もなかったし、付け刃よりも、そのダイヤのモチベーションを維持する方が大事だ、と思ったからでもありました。
ダイヤが空手のことを聞いてきた・・・
昨年末のクリスマスカップで敗戦後涙を流したダイヤ。もうボコボコにやられて、相手の技が効いて痛くて泣いているのか悔しくて泣いているのか、その両方なのかわかりませんが、熱い涙を流したダイヤ。
ダイヤママが「痛いの?悔しいの?」とダイヤに聞いていましたが、私に「初めてですよ、ダイヤが試合後に泣くなんて」と言われた言葉が頭に残りました。
あっけらかんとした、その裏表のない性格が、いい意味でも悪い意味でもダイヤのダイヤたる所以なのですが、あの試合は、何かしらダイヤに変化をもたらしたようで、それは年齢的な成長ともリンクしているかもしれないのですが、とにもかくにも、変化があった。
ほんのちょっと(笑)
井上雄一朗も「ダイヤ、動きいいなぁ」と呟いており、選手コース時にダイヤの動きを生かした指導を行っていました。それで急に強くなるわけでもないのですが、ダイヤも必死で稽古に食らいついていきます。
ある日の選手コース時、私も参加していてみんなの動きを見ていたのですが、スパーリング時にダイヤと光がやって、光の何気ない左ミドルがダイヤのレバーに直撃したことがありました。
光の足先がダイヤのレバーにのめり込んでいったんですよねぇ。
くぅぅぅぅ・・・とダイヤ背を丸めて悶絶です。
腹部の急所に蹴りをモロに食らったわけで、そりゃそうだろうと。
井上雄一朗からは光の背中で死角になり、何が起こったのかわからない様子。ダイヤも悶絶していますが、膝を折ったりして倒れ込まないんですよ(笑)
私が「光のミドルがレバー直撃」というと納得する井上雄一朗。
その間も他の道場生たちはスパーリングを続けているわけで、井上雄一朗も私もそっちに意識を集中しているのですが、そして、普通はそのラウンドはダイヤは「やられた」わけで休息をとっても咎められることはないのですが、すくっと背を伸ばすと光と目配せして「続きをやろう」とファイティングポーズ。
ほう。
さすがダイヤ。
何も考えてねぇ(笑)
普通は、倒されたり、倒したりしたラウンドは、そこでストップします。でも、ダイヤは動けると判断した時点で光に続きをやろうと合図し、光もそれに答えました。
そして続きを始めようとした瞬間にタイムアップでラウンドが終了したのですが、時間があれば、ダイヤと光はそのままスパーリングを続けたはず。
ダイヤに才能があるとしたら、このガッツですね。
何も考えていないガッツ(笑)
言葉を変えれば「度胸」。
ダイヤには弟がいて、道場で空手を習っていますが、それがショウタ。そして、ショウタが持っているものは「愛嬌」。
閑話休題。
そういうダイヤの言動を見ていて、これまでのように、今回の大会でもダイヤはダイヤらしく、自分の持っているものを全部だして試合するんだろうなぁと思いました。
会場でダイヤママにあって話をしたと先に書きましたが、この時話したのは「実は自分はダイヤに期待しています。優勝するとか、上位に行くとか、そういうのではなく、これまで稽古してきたことを全部出し切る試合をしてくれると期待しています」と。
「そうですかぁ・・・」とダイヤママは笑って受けていましたが、続けて「ダイヤ、もう今朝から緊張しっぱなしで」と。
あのダイヤが緊張する!
もうビックリですよ(笑)
「正露丸飲んできました」と。
正露丸!
私とダイヤママ二人して爆笑です。
ここで、やっとマクラで書いてきた正露丸と繋がるわけです(笑)
試合前に緊張して、お腹痛いと言ったダイヤ。そして、そのために正露丸を飲んできたダイヤ。
さすがダイヤ・・・
一回戦。体重判定で勝利し、それは薄氷を踏む勝利だったのですが勝ちは勝ち。これで緊張がほぐれたのか、ユウタロウの試合前にはユウタロウに付きっきりです。
ユウスケか誰かがこう言ってました。
「ダイヤですね、ユウタロウに、緊張しているか?その緊張を楽しめ。と言ってました」と。
おまえ、正露丸飲んできたじゃねぇかよ!
さすがダイヤ・・・
そんなこんなで、前回の試合では1回勝って1回負けたダイヤですが、今回は二回戦も勝利。次は準決勝です。これに勝てば決勝で、ユウスケも準決勝に上がっていたので、ユウスケも勝てば二人の対戦が実現。
ダイヤ、ユウスケと戦いたい。と言っていたそうです。
勝利に対する欲、ですね。
うん、変わったよダイヤ。君。ちょこっと成長した(笑)
準決勝の相手は、クリスマスカップで優勝している成松君。ユウスケが準々決勝で敗れ、目標としている選手。
ダイヤからみれば格上の選手です。体重差も20キロ以上あります。技術も違う。成松君にもガッツはある。
でも、ダイヤのガッツは「何も考えないガッツ」だから、ちょっと違うかな、とか思いつつ、どこまで成松君に食らいつくか興味はありました。
ダイヤパパの隣りで観戦。井上雄一朗はセコンドでマット最前列にダイヤを見ています。
そして、その試合が以下の動画です。
■ダイヤ激闘 2008.03.30
※ダイヤの試合といえば光の応援。ということで、今回も光絶叫!(ダイヤに対する光の声援は過去記事「ヒカリの語」参照)
成松君とは差があるダイヤですが、倒されることもなく試合を終えました。
結果は完敗です。
でも、よく頑張った。
試合中、二度ほどダイヤの動きが止まり、それは成松君の技が効いているのですが、技ありの旗が上がることもなく、試合続行。
効かされているのですが、光とスパーリングした時のように、攻めていくダイヤ。
心の中で叫びましたよ。
ATフィールド全開!って(笑)
いま自分の持っているものを全て出した結果なので、結果については何もありません。既に過去記事「第5回ペガサスカップ錬成大会」で井上雄一朗が言っています。
井上道場の最古参道場生がダイヤなわけで、大会には何度か出ていますが今回が初入賞。試合前にダイヤママに言った「実はダイヤには期待しているんですよ」というのが、別の意味で実現したわけで、やっぱ、人の成長した姿を見るというのは感動するな、と。
正露丸パワーは偉大だ!
これで成松君が決勝に進出。別のブロックからはユウスケが決勝に進出して、クリスマスカップに続く対戦です。これは別記事で投稿しようと思っています。
そしてダイヤ。
この日、井上道場で男を上げたダイヤ。
二週間後の昇級審査でもユウスケ同様早くから道場に来てアップしていました。
でもダイヤはダイヤなわけで、代継橋道場ではダイヤが叱られる声が今週も響いていました(笑)
まぁ、頑張れダイヤ。
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