この季節、お盆で都会から故郷に帰省する時期でありますが、地元に帰省して「嗚呼、帰ってきたなぁ~」と思える瞬間が幾つかあります。
私も大学を卒業してからは、地元より都会で暮らした年数の方が長かったりするので、よく盆と正月に帰省していましたが、その際に「嗚呼、帰ってきたなぁ~」と思う瞬間がありました。
近所のラーメン屋で「熊本豚骨ラーメン」を食べた時でもなく、「かつ美食堂」でホルモン煮込みを食べた時でもなく、それは、スーパーに買い物に行って精肉コーナーを見た時です。
熊本のスーパーには、普通に精肉コーナーに「馬刺し」関連のお肉が売ってあります。「馬刺し」であったり「馬ホルモン(モツ)」であったり「馬刺しレバー刺し」であったり「馬刺し心臓刺し」だったり「馬すじ」であったり「馬肉ひも」であったりするわけですが、普通に「馬の肉」が売ってあるのを見て、「嗚呼、故郷に帰ってきた!」と実感したものであります。
そんな「故郷」を実感させる「馬刺し心臓刺し」を食べてみた、の巻。
ちなみに、帰省からUターンして都会に戻ると、スーパーの精肉コーナーを見て「あ、都会に帰ってきたな」と思っちゃったりするわけです。
熊本豚骨ラーメンって、もうどこでも食べられるので、東京だと池袋に行けば「味千」もあるし「桂花」もあるし、新宿や渋谷や横浜でも食べられるわけで、食べたいときに食べられるラーメンなんですよ。
最悪、カップラーメンの「熊本ラーメン」でもいい(笑)
「かつ美食堂」のホルモン煮込みは、これは熊本、それも長嶺じゃないと食べられない味なんですが、物心付いたときから食べているので、なんつうか、当たり前過ぎて、「嗚呼、故郷に帰ってきた」ってインパクトに欠けます。
だから、スーパーの精肉コーナーなわけで。
あまり、情緒がないですね(笑)
細かいことを書くと、飛行機が着陸態勢になって、窓側の席から地上を見た時に、益城方面が見えるのですが、実家の近くや祖父の家の真上などを通過するため、その際も「嗚呼、帰ってきた」って思ったりします。
閑話休題。
本当は「馬刺しレバー」を買って食べたかったのですが、なんせ高い!
グラム800円くらいするんですよね。サシの入った馬刺しより高い。消しゴムよりちょっと大きめで600円以上しますから。いちいち買えないって話です(笑)
なので、馬刺し関連では最もリーズナブルな心臓刺しを購入。グラム180円くらいなんですよ。
心臓刺しなので、焼き鳥でいうところの「ハツ」ですね。心臓刺しは「ハツ刺し」とか言いますね。
比較するものがないですが、大人の拳大の大きさの馬ハツ(心臓)です。
これで333円。
心臓なので、なんつうか「高タンパク低脂肪」全開な精肉です。
これを薄くスライスして食べるだけです。
こいつを「にんにく醤油」で頂きます。お醤油は、さしみ醤油というドロッとしていて甘みのあるお醤油。これにチューブ入りのニンニクを入れて即席「にんにく醤油」を作ります。
ラッキョなどを入れる広口瓶にお醤油を入れ、その中に皮を剥いたニンニクを放り込み漬け込んでいるやつが「にんにく醤油」なんですが、もう強烈です(笑)
薫りが。
私の家でも作っているのですが、ちゃっちゃとやりたかったので、チューブ入りのニンニクをぶち込みました。
最終的に、この「にんにく醤油」に「一味」を振りかけて食しました。馬心臓刺しの「コリコリ」とした食感と淡泊な味にピリリと一味の刺激とニンニクの辛味がきいた「にんにく醤油」はよく合いました。
馬刺しのような肉の甘みや口に広がる滋味、馬レバー刺しのような、とろける甘みとのど越しのいい残味が、馬心臓刺しにはありません。基本的に食感だけを楽しむお刺身です。なので、「にんにく醤油」のような、きつめのタレに漬けて食べるのかな、と思っています。
美味しいですよ。
独特のさっぱり感があり、脂身がほぼないので、「筋肉を食べているぜ!」って感じ全開です(笑)
さて。
この日は「馬すじ」を買ってきていて、これをジャガイモと煮込んで調理しようと思っていたのですが、オフクロが失敗しました。珍しく失敗です。
普通のお鍋で煮込めばよかったのですが、圧力鍋で煮込んだので、なんつうか、「あああああ」ってな感じ。
仕方ないので急遽「肉めし」用に味付けしました。
熊本で「肉めし」といったら「牛丼」じゃないです。
馬肉の丼めしのことですよ(笑)
「かつ美食堂」の肉メシも旨いですが、実は戸島教室の近くにある「ふじや」の肉メシが無茶苦茶旨い、というのは地元民だけの秘密(笑)
今夏の夏の甲子園には、熊工は予選で敗れて出場できませんでしたが、二塁手かな?でキャプテンの藤村選手の実家ですね。ここの肉メシは最高に旨いです。ちなみに藤村選手の父上も甲子園に出場しています。九学の選手でした。
この藤村選手の祖母が運動神経抜群で、そりゃ戸島では有名だったそうです。なので、そのDNAを藤村選手は引き継いでいるんだな、と。
ちなみに、この藤村選手の祖母の弟が熊工の林監督(笑)
無茶苦茶ローカルな話題ですね。
閑話休題。
煮込みに失敗した馬すじを肉めし用に味付けしたものが以下。
味付けはお醤油とお砂糖と・・・なんだろう?お酒かみりんかなぁ。
私が味付けしたわけではないですが、まぁ、こんなところですね。
馬すじのコクが隠し味になって、なかなか、肉メシだといけます。
まず、これを丼めしの上に装う。
つゆだくでおつゆもたっぷりをご飯にかけます。
そして、これを混ぜ混ぜ、混ぜ混ぜ。
ご飯に「照り」が出てきますよ。
これでOK。
家庭料理は「シンプル」なのです。
紅ショウガがあったので、これをトッピング。
牛丼にも合いますが、馬の肉メシにももちろん合います。
昨日は代継橋道場の稽古日でした。
稽古後は、この馬心臓刺しと馬肉メシで栄養補給です。
井上雄一朗は、戻るなり「腹減ったなぁ腹減ったなぁ」を連発したました。
昨日も、稽古後の特練でハリウッドスターとみお先輩にみっちりむっちり型を指導していましたからね。
わたしは里奈ちゃんに。
夏です。
汗も出ます。
カロリーも消費します。
なので、やっぱり、ビール!
詩人の室生犀星(むろう さいせい)は、かつて、こういう詩句をよみました。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
故郷という言葉には、どこか哀愁が漂うものですね。
来週には、多くの人が、あれを食べたい、これを食べたいと故郷に戻ってきます。
好きなものを、好きなだけ、食べさせてあげましょう。
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