「大食は強運なり」とは、故大山倍達先生の言葉ですが、大山先生の内弟子だった先輩(井上雄一朗や私の空手の師匠)から耳にタコができるくらい聞いた言葉でもあります。
なんでも、たくさん食べるヤツは、それだけたくさん動ける、だからいいことだ。というくらいの意味だったと思います。ひたすら食え食えだったような・・・
この言葉の裏側には、食べたくても食べるものがない時代に生きた世代の悲壮感があるのですが、当時はそういうことを想像する年頃でもなく、たくさん食べて体を作らないと!と思っていたものです。
本当の「飢え」を知っている世代も少なくなり「ものを大事にする」であるとか「食べものを粗末に扱わない」という当たり前のことを、くどくどと説明しなければならない世の中になり、テレビのインタビューで「怖いものはなんですか?」という問いに「孤独が怖いし、飢えが一番怖い」と答えていた大山先生の言葉が、虚しく響いてくるものだな、なんて思ったり。インタビュー直後、インタビュアーの若い女性アナウンサーに向かって「あなたたちに言ってもわからないでしょうね」と付け加えていましたが、これは大山先生だけでなく、あの時代を生きた人の総論ではないかと。
そんな食べものと空手を連想すると悲壮感漂うシーンが蘇るのですが、やはり「大食は強運なり」で、料理というのは地面に近い場所で食べるほど旨い、一手間かければ旨さ倍増、という言葉の通り、ささいなことでも大がかりにやって、なんでも旨く食べるを実践してこそ井上道場的だな、と。
2㎏ほどの鶏肉と豚バラ肉を買い込んで、炭火焼きにしてみました。
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