闘いすんで日が暮れて3 – 第6回ペガサスカップ錬成大会!の巻

さて。
ダイヤの準決勝の相手は成松君。昨年はボコボコにやられて、よくダイヤは倒れなかった、よく最後まで立っていたと感服したのですが、今年はどこまで肉薄するか?と試合を凝視です。

体格差は相当あります。ありますが、月曜日の練習では成松君より全然大きい私ともガツガツやったわけで、耐性は少なくともある。

けれども、圧倒的な体力の差というのはいかんともしがたく、ダイヤ敗戦です。

昨年よりも内容もよく、さすがダイヤだな、と。昨年成松君に敗れ、「月曜日の練習にも来ます!」とこの一年頑張ってきた成果を彼なりに出したと思います。

結果は負けましたが、勝敗ではなく、別のところでこの一年間、代継橋道場の最長老なダイヤなのでこの6年間以上の結果を出してくれました。

ダイヤ、よくやった!

最後まで諦めずよく頑張った。

これで決勝戦は昨年同様ユウスケと成松君です。

この日のために、このペガサスカップの決勝で成松君と戦うために、昨年から一年間、この一戦に照準をあわせユウスケは頑張ってきました。

井上雄一朗が指導する内容は、大人でも自分のものにするために三年くらいかかります。少年部用ではなく、一般部になってもスタイルを変えず通用する動きを習得させるための内容で、すぐに結果は出ないけれど、地道にコツコツとユウスケはそれについてきた。

私が知るだけでも二年間。

そして、はっきりと目標が定まった一年前から、さらに稽古を増やし、内容も充実させ、目的意識をもって頑張ってきました。

勝負ですから、結果はわかりせん。

努力したら結果が出るわけではなく、その結果というのは勝敗ですが、ダイヤも同じですが、自分に資するものは努力すれば身に付きます。

勝利という結果があれば、それに説得力があるだけで、彼がこの数年コツコツと努力してきたことは誰もが評価しているところ。

であるならば、「有終の美」という言葉もあるように、それに説得力を持たせたい。

つまり、勝って終わりたい、と。

空手が終わりではなく、小学生時代の終わりという意味での「有終の美」。

井上道場関係者は誰もが思ったはずです。

でも、勝負ですからね、こればかりはわからないわけです。

思った通りに世の中が動くなら、これは誰もがシアワセで面倒なこともないわけで。

そして成松君は強く、何度もユウスケに勝っている。

壁は大きいわけです。

ましてや、この日のペガサスカップ決勝で戦いたいとユウスケが思っても、ユウスケ本人が決勝前に負けたらどうにもならないわけで、色々なことが重なって、この日小学生最後の試合が成松君との決勝。

WBC決勝みたいなもんですよ(笑)

舞台、整いすぎ!って感じで。

確か、準決勝前かなんかに、成松君と決勝でやろう!と声を掛け合ったそうですが、いやいやダイヤがいるだろう、と(笑)

そんなこんなで各クラスの決勝戦が行われ、小6男子決勝も近づいてきました。

決勝戦いろいろ 決勝戦を見るギャラリー

試合を待つユウスケの後方に、みおちゃんと二人で、ツエさんもいたから三人かな、でいましたが、ダイヤが「つつつ」とユウスケの近くに来て腰を下ろしました。

決勝を待つユウスケとダイヤ

いつものダイヤなら、もっとユウスケに近づいています(笑)

微妙な距離を置いたのは、ダイヤの心遣い・・・ではなく、あとでユウガが二人の間に入りました(笑)

ダイヤ、こういう無意識の優しさあるんですよね。各コートで試合ありますが、どんな大会でも、道場生がひとりポツンといると、ダイヤは側に寄り添ってくれます。別に指示されたわけではなく。

まぁ、寄り添うのはいいんですが、そこまで近づくか!ってくらい近づくんですが。

後ろから見ていて、このダイヤとユウスケの後ろ姿に、ちょっと感動しました。

代継橋道場で6年間も小学校時代に続けたのはこの二人だけ。性格もなにもかも違う二人ですが、カラーの違う二人がいつも稽古に来ていたのも事実で、色々な意味で、私が彼らと過ごした時間はこの二年間なのですが、よく頑張ってきたなぁ、と。

小6男子の決勝戦が始まりました。

泣いても笑っても、勝っても負けても、小学生最後の大会、そして決勝を戦う二人にとっては最後の試合です。

本戦、突きを上下に振り分け、上に意識をいかせて空いたレバーに下突きな井上雄一朗が指導したセオリー通りの動きなユウスケ。蹴りはアウトロー主体。

大柄な成松君に勝つためにはスタミナ。圧力をしのぐだけで浪費するスタミナなので、そのために一年かけてスタミナつけてきました。稽古の量と質では誰にも負けないと自負する井上雄一朗とユウスケ。

本戦引き分けです。

延長戦になります。延長戦は一回しかありません。

体重差は20キロ以上あるはずで、延長戦で引き分ければ、その時点で成松君の勝ちはなくなります。彼も必死です。

引き分けイコール負けな成松君の反撃が始まります。肉食動物が獲物を襲うように、猛然と攻めます。さすがです。

試合後、井上雄一朗は「ケイシロウも猛然と攻撃してきましたからね。延長戦の彼は凄かった」と言っていました。

全力です。二人とも全力で試合をしています。

勝負やスポーツの世界では、勝負を超越した、勝ち負けという物差しが小さく感じる場面がありますが、例えるなら、それです。

ペガサスカップよりも大規模で質の高い大会はたくさんあります。素晴らしい試合をする大会はたくさんあります。けれども、井上道場関係者、極真館熊本菊水道場関係者が実感する「素晴らしい試合」は、この時点では、この決勝戦しか存在しないわけで、極真館熊本菊水道場の成松君と井上道場のユウスケの、この試合が、現場で見ている我々にとっては全て。

WBC決勝よりも、世界フィギュアの浅田真央よりも、純粋で尊厳に満ち、華麗ではないかもしれないけれど、どんくさいかもしれないけれど、美しく、見事に咲く桜のような、素晴らしい試合です。

延長戦終了。

お互い死力を尽くしたベストバウトです。

判定になります。

3-0。

2-0で引き分け。

この時点ユウスケの勝ちです。

主審の「引き分け!」のコールがされると、体重判定イコール敗戦がわかっている成松君は、小学生最後の試合で全力を出し切った自分に納得するように、数回頷くと、胸を張り、迷いもなく体重計のある試合場スタッフ席前にあしばやに駆け寄りました。

体重測定後、開始線にひとり戻り、道着の乱れを直し、不動立ちで真正面を見つめる成松君。

「体重判定の結果、白の勝ち!」と主審がコールし、ユウスケと成松君が歩み寄り、固く握手をかわし、一言か二言ことばをかわし、別れ際にポンと左手でユウスケの肩をたたく成松君。

勝って奢らず負けて腐らず

円は閉じられました。

勝者に祝福を。
敗者に拍手を。

勝敗を超えた清々しい風が、見ているものを、これまでの彼らの姿を知っているものの心に吹いたはずで、ふとセコンドについている井上雄一朗を見ると俯いています。

うっすらと涙を浮かべる井上雄一朗・・・

鬼の目に涙!

これは大会後に自宅に戻ってきてからの話ですが、「いや~、よかった安心した。お前のやってきたことは間違いじゃない。ユウスケもみんなも頑張った。勝ち負けではなく内容がよかった。」と言うと「よかったです・・・」と、まるでWBC決勝戦後のイチロー状態(笑)

色々な意味が込められている言葉です。

と、感動の決勝戦だったのですが、実は、みおちゃんと色々漫才みたいなこと言い合って盛り上がっていたというのは内緒!

光ママ号泣でしたねぇ。卒業式じゃないんだから!

話題沸騰!
でも、これはないよな、光(笑) いちお、モザイク入れたよ。

恵まれた体格もなく、センスもなく、運動神経もないユウスケが、コツコツと地道に練習してきて、最後の最後に結果を出したことは、大局からみれば小さなことかもしれませんが、井上道場からみれば大きな事で、特に下級生たちには無言の教えになったと思います。

木下先生、わたしは長友を思い出したよ。

あいつもコツコツ地道にやって結果出したからねぇ。

そして、そんなユウスケを指導してきたのが井上雄一朗。泣ける話だよ。

おそらく、木下先生やゴウセイしかわからないネタなのですが、歴史は繰り返すじゃないけれども、どこかで見た風景のようでもあり、ユウスケや成松君と同じ小学6年生だった空手を始めたばかりの木下先生の姿が思い出されます。

大会後戻り際、玄関で木下先生が「センパイ!」と声をかけ、なんだよ、また弁当かぁ?と思っていたら、色々話始めました。

まぁ、ローカルな話なんで書いても面白くともなんともないことなので割愛しますが、最後に敬称つけないで、あの頃のように後輩に対して書きます。

「木下よ、おまえはよくやってる。頑張ってるよ。凄いよ。あんなに小さくて体弱かったのに。井上の弟子と木下の弟子の決勝戦が見られるなんて想像もしてなかったよ。みんな喜んでると思うよ。だから、これからも頑張れ。お前は昔から感激屋さんで、俺が試合に負けると泣く、井上が優勝しても泣く、弟子の試合見ても泣く、そんなに号泣してたら大変だって。優しさは昔と全然変わってないなぁ。うれしいよ。だから、これからも流派会派は違えど熊本の空手のために頑張れ!井上も頑張ってるから、負けずに頑張れ。」

いい大会でした。

って、光のこと忘れてた!!!

小6女子では、代継橋道場の光が決勝戦に進出しました。

準決勝では、まず武蔵ヶ丘道場のヒカリが試合を行い、「ヒカリ~!」と声援をおくっていたのですが、次の試合は光。

またひかりかよ!

ちなみに、ショウタは小2男子の決勝進出しましたが、決勝戦の相手もショウタで、ダブルショウタかよ!セコンドどうやって声出すんだ?

と思っていたら、他の試合よりもセコンドの声が出てなくて、なんかやりずらいんだろうなぁと思いました(笑)

ショウタ!ヒザ!ヒザ!って言ったら二人ともヒザ・・・

武蔵ヶ丘道場のヒカリは準決勝で敗退。光は勝って決勝です。決勝の相手はヒカリが負けた相手。かつ一回戦でエムが負けた相手。

決勝で光が負けると、この選手に全員やられたことになります。

光、頑張れ。

小6女子決勝戦が始まりました。

ざっくり書きます。

3-0で光、勝利。

悪い癖で自分から間合いをとるために下がる癖ありますが、よく前にでました。頑張った。

ユウスケパパとママも祝福 光ママとハグ
ユウスケパパとママも祝福。光ママとハグハグ。

こんないい場面なのに邪魔するやつがいました。

ダイヤの野郎!

ダイヤ、思いっきりカメラの前を通っていきます。

そして、再び戻ってきます。

リョウヘイもかよ!

この後頭部はリョウヘイへいへ~い♪

邪魔すんなよ!

一瞬だったんですけどね。ダイヤは期待を裏切らないなぁ(笑)

泣いていた光ですが、私の言葉に笑顔です。なんと言葉をかけたかは動画を見てください。そして、他の女子も笑顔笑顔・・・ってエム!

光を笑わせる あいり、エム、ヒカリ、ゆりな

■動画:光のハグと祝福と

■携帯電話から見る場合はここをクリックする

なんだよ!ハグしてくれないのかよ!

マ、そんなことはどうでもよくて、悔し涙より、嬉し涙の方が熱くてしょっぱいはず。

壮年部ではカンダ君が準優勝。最後の試合まで盛り上がりました。

表彰式前と後に記念撮影です。

子ども達だけで 井上雄一朗も入る

高学年 低学年・・・ってユウキ!

小一コンビ ユウスケと光と・・・ショウタもいます

大会後に食事にいったのですが、久しぶりに私もお酒を飲んだのですが(いつもは車の運転のため飲みません)、楽しいお酒でしたね。

それはユウスケや光が優勝したからではなく、もちろんそれもありますが、出場した道場生全員が、勝ち負けはありましたが、胸を張って「頑張った」と言える試合をしてくれたからです。

勝敗よりも、こっちの方が断然大きいです。

井上雄一朗も終始笑顔で、それは、みんなよく頑張った、と全力を出し切った道場生の姿に心を奪われたからです。

いや~しかし、みんなよく頑張ったねぇ~。

これで終わりではなく、ここまでの成果を出す場が大会なわけで、これからも頑張ろう!

光にメイプルプリンを食べさせてもらう井上雄一朗
光、ホステスかよ!

ユウガのさりげなさに脱帽。自然と井上雄一朗に抱かれているユウガであります。この才能はホント凄いよ(笑)

WBCのシャンパンファイトと同じで、みんな頑張ったから顔もほころぶわけです。

ほころびすぎ(笑)
ダイヤパパは、ほころびすぎ!

いい大会でした。

ペガサスカップを主催された極真館熊本菊水道場及び大会スタッフの皆様、出場した全選手並びに各道場関係者の皆様、お疲れ様でした。

セコンドしてくれたサカイ選手、応援に来てくれたみおちゃんやカワハラさん、そして保護者の皆様お疲れ様でした。

4月から新年度。

気持ちも新に頑張りましょう!

オチはショウタで。

■ショウタの舞

■携帯電話から見る場合はここをクリックする

代行で井上雄一朗と自宅に戻ったあと、夜空に星はなかったのですが、二人して、ガッチリと握手をしました。

よかったネ

よかったデス

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闘いすんで日が暮れて3 – 第6回ペガサスカップ錬成大会!の巻” へのコメントが 6 点あります

  1. あのナリマツ君に小学校最後の試合で勝つのはユウスケ君、大きな財産を得ましたね。
    うちの息子は、今年出しても、タジタジだったかもしせん。
    そういうことから、ではありませんが、今年は、毎年出場させていたペガサスカップはキャンセルさせてもらい、愚息小学校最後の大会は地元の硬式空手の試合に初出場させました。
    フルコンタクトではいつも1回戦敗退ボーイだったのが、3位と初入賞させていただきました。
    結果もですが、今までになく、前に出る気持で戦えるようになったのが、大きな収穫でした。
    空手が続くかどうか瀬戸際でしたが、昇級審査の際には姉とともにお伺いさせることができそうです。

  2. 日置のホシイッテツさんありがとうございます。僕も初試合は、3年生のときでした。
    でもそのときは、負け負け負け…の連続でした。でも井上先輩や、webmaster先輩、先輩方や仲間、後輩に応援してもらったり、励ましてもらったりしたからだと思います。ほんとにいっしょにがんばってきたみんなに感謝感謝でいっぱいいっぱいです。
    ほんとにありがとうございました。
    また5月に試合があるのでよろしくお願いします。

  3. webmasterせんぱい。ありがとうございます
    これが楽しみだった…(〃∨〃●)

    くつした・・・
    知ってる人ゎ知ってますね(≡∇≡。)

    ってか私の事忘れないで下さいよぉ!!!
    ユウスケ君の事ばっかりぃ~(=∧=#)

    ユウスケ!!
    試合頑張ってね!!!(>П<;)

  4. 侑祐、光、優勝おめでとう。
    それから試合に出た部員の皆さんお疲れ様でした。みんなとてもいい試合だったと心から思います。みんなの試合のひとつひとつがとても感動しましたし、改めて日頃の練習の大切さがわかりました。(今更?)
    性根を入れ替えてこれから我が家も精進してまいります。

  5. >日置のホシイッテツ 様

    大会当日、道場にて井上代表より鹿児島の結果(松元先生よりメールされた内容)の報告がありました。

    みんな喜んでいました。

    大局からみれば小さなことでも、当事者から見れば大きなことが多々あり、それが今回のことなのかなぁと思ったりしております。

    今年度も頑張っていきましょう!

    押忍。

    ——————————-
    >ユウスケ へ

    豪快に結果を間違っていたけど、速攻で訂正した(笑)

    マ、ボチボチやろか。

    ——————————-
    >光 へ

    俺は靴下のことは、みおちゃんにしか言ってないからね。

    お母さんへ、そう念を押しといて。

    光、ユウスケのことばっかりって、おめぇのこと書くと、けっこう反省点ばかりになるけど、それで凹まない自信があるなら、どんだけでも書いてあげる(笑)

    中学になっても、色々頑張ってネ。

    ——————————-
    >ナマケモノ部員ママ 様

    お土産有り難うございました。

    マ、不言実行でいきましょう(笑)

  6. あ・・・
    ヤ・・・。け、結構ですっやっぱ・・・

    凹むんで・・・・。結構・・・。

    もうすぐ入学式ですナ。
    中学に行っても・・・か。
    がんばんなきゃイケナイこと
    今までより山ほどありますよね・・・。
    なんかブルーになってきた(笑

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